整備
2016/05/02

航空整備士の育成

整備本部
JGAS AVIATION BLOG

ブログをご覧のみなさん、こんにちは。
JGAS整備人財訓練部です。

私共、整備人財訓練部は文字通り、整備部門に所属する人財を訓練する部門です。

ときどき、上の写真にある看板を見て「人財の“財”の字が間違ってませんか?」とご指摘を受けることがありますが、正しいのです。JGASは、社員を大事な大事な財産だと考えていることから、「人財」とさせて頂いています。

航空業界では今後、パイロットだけではなく航空整備士についても不足することが予想されています。

そんな時代を会社として、どう生き抜いていくのか?と考えた結論が「育てる」という事なのです。そして、現在雇用している十数名の整備要員についても今以上に実力を高めてもらわなければなりません。

その為には、一生懸命育てることが重要だと考えています。

では、具体的にはどのような事をやっているか・・・というと。

先生が外国人。そうです。英語の授業です。

航空整備士の育成 英語の授業

JGAS鹿児島整備センターでは、毎週金曜日に現場を離れて英語の講義が行われています。

英語が不得意だと、英文の航空機のマニュアルを読む際に「たぶん、だろう作業」が発生する可能性が非常に高くなります。

例えば、「less than 5 times」

5回以下でしょうか?5回未満でしょうか?

”Less than”は「未満」ですよね。

このような表現は、例えば、エンジンのスターターの単位時間における使用回数の制限(デューティ-サイクル)を表すときに使われたりします。「エンジンのスターターの使用回数は5分間で5回未満にしなければならない」などです。整備士が5回以下と誤った解釈をしてマニュアルの記載に違反する形で5回スターターを使用すれば、スターターが焼き切れる可能性もあるのです。 

このように、細かな英語表現の理解は非常に重要なのです。

あとは、スタッフの英語力が向上すれば、海外出張時にアサインに困りません(笑)

今のJGAS整備士の海外出張は、訓練等で英語が不得意な人間を行かせる際に、英語が得意な社員も同時にアサインしなければなりませんから・・・。今まで2人同時に出ていた出張を1人にできれば、コスト削減にも寄与します。

JGASにとって、英語教育は非常に重要なのです。

航空機整備に関する勉強においても、これまで小型機整備の業界では、初めての機種を勉強するときメーカーの行う訓練に参加することが一般的で、それ以外では実機での経験を積みながら覚えていくしかなかったように思います。

JGASでは、実機での経験を積む前に社内で作成したスタディーガイドで基礎教育を行った上で、現場に出すようにしています。

航空整備士のスタディーガイド

様々な機能について、構成部品・作動等が分かりやすくまとめられています。

そして現在、航空整備士の資格取得の為に必要な「基本技術」の教育についても準備を進めています。先日、ケーブルリギング訓練用のスタンドの試作品が完成しました。確実なテンションでリギングをしなければ、リギングピンが入らないというゴマカシの効かない代物です。

その昔、私も実地試験で国交省の試験官を前に緊張で手に汗を握りながら、ケーブルテンションを調整し、それぞれのターンバックルにシングルラップ・ダブルラップでワイヤを掛け、リギングピンが何のフリクションも無く「スポっ」と入った時の感動は今でも忘れられません。その感動を若手整備士にも味わってもらいたいと切に願っています。

だいぶ長くなってしまいましたね。

引き続き、JGAS整備人財訓練部は優秀な整備士を育成するべく頑張って参ります。