部品
2016/06/16

購入先・修理委託先の調査

JGAS Aero Parts
JGAS AVIATION BLOG

空梅雨(からつゆ)と言われる今日この頃、皆様こんにちは。JGAS Aero Partsです。

さて、今回のブログでは弊社が行っている「購入先・修理委託先の調査」について書きたいと思います。

インターネットショッピングが普及してきた昨今、みなさんもネット通販でお気に入りの商品を見つけることがありますよね?その会社が初めて利用する会社だった場合、「一体どんな会社なんだろう?」と会社概要や支払方法等、ホームページで確認できる情報を調べた経験が少なからずあるのではないでしょうか?

それと同じように弊社も航空機部品の取引先(仕入れ)や、重要装備品等の修理委託先は徹底した調査を実施し、弊社の基準に見合わなければ取引を開始することができません。

相手先が、航空機や部品の製造者(Manufacture)なのか、修理工場(Repair Station)なのか、販売業者(Distributer)なのかで調査内容が変わります。

今回は、修理工場の調査についてご紹介しようと思います。


弊社が「修理工場」を利用するのは、航空機の計器や発電機等の重要装備品を購入したり、お客様から預かった装備品を修理に出したりする場合です。

弊社が取引先を認定するプロセスは、弊社は”Supplier Survey Sheet”という全4枚組のアンケート形式の調査シートを送付するところから始まります。

内容は・・・というと、会社名・住所といった一般情報から始まり、どのような認定を持っているのか?修理完了後にどのような書類を発行するのか?品質保証体制はどうなっているのか?修理作業を設計・製造者が指定した方法で行っているか?その場合、最新の技術基準(CMM等)が確実に更新されているのか?等、内容は多岐にわたります。

ちなみに、施設の防火設備を問う設問もあります。 お客様から預かった部品が火災に巻き込まれたら・・・とんでもないことです。

様々、重要な設問が多い中で特に弊社が気にするのが「修理作業等が、装備品の製造メーカーが指定した方法で行われているか?」です。

実は、アメリカでは修理業者が独自に修理方法を考えて、FAAの承認を得て修理する方法が存在するのです。通称、DERリペアと言います。そのような修理品は、FAAの支配下では有効なのですが、FAAの支配下から1歩出ると有効性が無くなるのです。もちろん、日本の航空当局も認めていません(日本の認定事業場を取得し、日本の航空当局が認めた場合は除く)。

もし、そのような修理品が入荷すると・・・

弊社の取引先である日本の事業者様には納品ができなくなってしまいます。

航空機部品関係のサーキュラー

サーキュラーという航空当局が発行している文書にも明確に記載されています。
サーキュラー1-001 第Ⅴ部 3項)

予備品証明検査にも合格する事はできませんし、“みなし予備品証明”の適用もできません。

もし、弊社が誤ってそういった装備品を出荷してしまい、事業者様も気が付かず航空機に装備されてしまうと・・・考えただけでゾッとします。

このように、修理委託先を選定するのも一苦労なんですね。


取引が開始された後は、機会を見計らって現地を訪問する事もあります。

航空機部品の修理委託先の監査

訪問した際は、監査という位置づけなので「ESDS対策はどうしてるの?」「これは最新のマニュアル?」「この工具はマニュアルに掲載されてるの?」「この機械の校正間隔は?期限管理はどういう風にしてるの?」などと偉そうな事を聞くのですが、実は学ぶところも多いんですね。JGASでも参考にしたいから質問してる・・・といっても過言ではありません(笑)

航空機部品の修理委託先の監査

例えば、この棚。

よく見ると、1段1段にクッションがあります。実は、このクッションは静電気対策が施されているんです。

優秀な会社を訪問すると、本当に色々勉強になります。

ちょっと、話はそれてしまいましたが、航空機の安全を守るために弊社は日々試行錯誤を行っています。

次回の部品ブログでは、DERリペア品の見分け方をご紹介したいと思います。


航空機部品販売のJGAS Aero Parts