航空機
2016/06/27

NASA、電気飛行機「X-57」を公開!

航空機事業部
JGAS AVIATION BLOG

NASAは、従来の化石燃料を用いた飛行機よりも、静かで、効率的で、環境に優しい電気飛行機の研究を進めています。

6月17日、米航空宇宙局(NASA)のチャールズ・ボールデン長官は、ワシントンで開催された米航空宇宙工学学会(AIAA, American Institute of Aeronautics and Astronautics)の年次会合の場において、電気飛行機の研究用プロトタイプ「X-57」(通称・マクスウェル)を公開しました。

X-57は、弊社が輸入販売するイタリア・テクナム社の小型双発機「P2006T」をベースに開発されます。P2006Tが実験機に選定された際と、NASAの研究所に到着した際には、弊社のブログでもお知らせしました。

P2006Tは四人乗りの高翼双発機です。軽量で力学的に優れた機体は、燃料消費量を単発機並み(左右のエンジンを合わせて約10gal/h)に抑えることができます。

また、様々な改造を加えられるのも特徴のひとつで、諸外国では自家用のオーナー機や訓練機のほか、航空測量機や哨戒機としても活躍の場を広げています。

大きなエネルギーを必要としない基本設計と、これまでも様々に改造されてきた柔軟性の高さなどが、NASAがP2006Tを選定した要因になりました。

テクナムP2006T

オリジナルのP2006Tは、両翼に1基ずつ、航空用ガソリン又は自動車用ガソリンを使用するピストンエンジンを搭載しています。

一方でX-57の両翼には、合計14個の電気モーターが取り付けられています。小さい12個のモーターは離着陸の際に使用され、巡航状態になると、両翼端の大きなモーターのみを使用して飛行します。

X-57は、時速175マイル(時速約280km)での巡航時のエネルギー消費を、従来の飛行機の5分の1まで削減します。省エネと高速飛行を両立できるX-57の技術を使用すると、小型機の全体的な運用コストをおよそ40%削減できることが期待されています。

また、電気モーターを使用すると、従来のピストンエンジンよりも騒音を抑えられるというメリットもあります。化石燃料を使用しないため環境に優しいのは言うまでもありません。

NASAのチャールズ・ボールデン長官はX-57について「航空機の新たな時代を切り開く最初の一歩」だと述べています。

X-57は一人乗りの小型飛行機ですが、NASAの今後10年間の計画では、燃料消費量と騒音を従来の半分に削減した、再生可能エネルギーに頼る商業用飛行機の開発を目指しています。X-57を使用して4年程度の試験を重ね、その後は、座席数や貨物搭載量を増やした大型の電気飛行機の開発に着手する予定です。

NASAのほかにも、エアバス社や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など様々な機関が、電気飛行機の研究開発を進めています。クリーンでエコな電気飛行機が実用化されるのは、そう遠い未来ではないでしょう。

X-57の元になるテクナム社の小型双発機P2006Tについて、日本では、テクナム社の代理店である弊社Japan General Aviation Serviceが、型式証明取得の手続きを進めている最中です。

記念すべき第1号機は、民間航空操縦士訓練学校の訓練機として、この秋に導入される予定です。もちろん翼に付いているのは電気モーターではありませんが、それ以外の外観はX-57とそっくりです。どこかの空港で見かけた際には、X-57を思い起こしてみてください。

テクナムP2006TとX-57についての続報が入り次第、こちらのブログでお伝えします!ご期待ください!

NASA公式サイト
http://www.nasa.gov/topics/aeronautics/index.html

TECNAM

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