整備
2016/11/14

飛行機のブレーキ

整備本部
JGAS AVIATION BLOG

皆さんはじめまして、8月から鹿児島事業所の整備課に配属されました。私は元々エアラインで大型機のエンジン整備をしており、小型機の業界は初めてで作業のたびに勉強をさせていただいく毎日です。

今回、何を書こうか迷ったのですが私のエアラインでの経験を少々絡めてお話をしていこうかと思います。


皆さんは飛行機がどのように減速をしているかご存知でしょうか?

皆さんがよく空港で目にする大型飛行機の重量は約250t、時速は約300kmのもの速度で着陸をしています。

これほどのものを滑走路内で時速20kmほどまでに減速させるにはどの様にしているのか?

主に飛行機を減速させるには3つの減速装置があります。


まずは、車輪に取り付いてるブレーキです。これは皆さんが乗っている車についてるものと同じ方法でタイヤ自体を減速させています。

簡単に説明するとブレーキディスクをパッドで押さえて減速させています。

車の車検の際に、車屋さんから「パッドが摩耗しているので交換ですねー」なんて言われたことは無いでしょうか?ディスクとパッドの摩擦でブレーキをかけますから、パッドが摩耗するんですね。 長く同じ車に乗っていると、ディスクを交換する事もあると思います。

車輪のブレーキの原理は、車も小型機も大型機も同じです。

ディスクブレーキ

飛行機のスピードと重量、滑走路の距離の制約などから着陸後にブレーキを掛けるとかなりの負荷になりブレーキ自体が高温になります。大型機では、停止直後のブレーキに触れると火傷します・・・ ブレーキの使い方によっては小型機でも火傷します。


2つめの減速方法は、翼の上面に付いてるスポイラーです。スピードブレーキとも言われます。これは翼の上面に板がせり出し空気抵抗(抗力)を生み出すことによって機体を減速させています。スポイラーには、翼の揚力を減少させ機体重量をタイヤにかけることで、タイヤを地面に確実に接地させる事も大きな目的の一つです。

接地直後は、揚力が翼に残っているので少なからず飛行機は浮く方向にも力が掛かります。

それをスポイラーで打ち消す事で車輪ブレーキが、より有効に掛かるようにするんですね。

このスポイラーが作動している様子は翼の横に座っていると、展開する様子を間近で見ることが出来ます。是非、飛行機に乗った際は確認してみてください。

A300-600R Spoilers jp 001
Wikipedia 「スポイラー (航空機)」 より


3つめの減速方法は・・・逆推力装置、スラストリバーサーといえば耳にしたことのある方もいるのではないでしょうか。これは今まで機体を前方へ進めていたエンジンの推力の約8割を逆方向へ向けることで機体を減速させています。

仕組みは様々ですが主に大型機ではエンジンの中ほどからカウリング(エンジンの外装)が割れ、そこから逆推力を噴射しています。こちらも飛行機の着陸を見ていると装置が作動しているのがわかります。

ちなみに分かりにくいですがターボプロップ機もプロペラの羽の角度を変えることで逆推力を発生させています。

スラストリバーサー   スラストリバーサー


中・大型機は主に通常のブレーキと他2つのものを併用していますが、N類の小型機は機体自体の重量と着陸速度から通常の車輪ブレーキのみしかついていません。

このようにブレーキ1つをとっても大型機と小型機では違いがあります。

私もエアラインでの経験を活かしつつ小型機についての知識・技術を深めていきたいと思います。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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